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18話 猫耳少女と朝の食卓

Penulis: みみっく
last update Terakhir Diperbarui: 2025-08-05 07:00:39

「わっ……すごいっ! なにこれ~♪ いい匂いになってるっ!」

 ミーシャは、自分の体をくるくると見回しながら、目を輝かせた。髪の毛はさらさらと揺れ、耳の先まで嬉しそうにぴくぴくと動いている。その表情の変化はまるで猫のように愛らしく、見ていて飽きることがなかった。

「そういえば、まだ名前を聞いてなかったな。俺はユウヤ」

 ユウヤは、改めて自己紹介をした。ミーシャは一瞬きょとんとした後、ふわりと笑って答える。

「わたしは、ミーシャだよ。えっと……ユウちゃん?」

 少し照れたように、けれど嬉しそうに名前を口にする。その頬はほんのりと赤く染まり、耳もぴくりと揺れた。

「うん。よろしくな、ミーシャ」

「うん♪ よろしくぅ~、ユウちゃん♪」

 ミーシャは、満面の笑みでユウヤに返事をした。その笑顔は、まるで長い冬の終わりに咲いた一輪の花のように、あたたかく、まぶしかった。

「夜も遅いし、そろそろ寝ないとな。ミーシャの部屋って、どこなんだ?」

 ユウヤがそう尋ねると、ミーシャはぱっと顔を輝かせ、嬉しそうにユウヤの手をぎゅっと握った。

「こっち、こっちぃ~♪ ユウちゃん、ついてきて~♪」

 まるで宝物を見せるかのように、ミーシャは軽やかな足取りで家の中を案内してくれた。手を引かれるままに進んだ先には、ふんわりとした雰囲気の、いかにも女の子らしい可愛らしい部屋があった。淡い色合いのカーテンに、ぬいぐるみが並ぶ棚。ベッドも整っていて、すぐにでも眠れそうな状態だった。

 ユウヤは念のため、洗浄魔法で部屋全体を清めておいた。埃や放置されていた時の臭いを取り除き、空気まで澄んだように感じられる。

「綺麗にしておいたから、そのまま寝られると思うぞ」

 そう声をかけると、ミーシャは嬉しそうにベッドに飛び込み、ふかふかの布団に顔をうずめた。そして、幸せそうな表情のまま、ユウヤを見上げて尋ねた。

「ありがと。ユウちゃんは、どこで寝るの?」

(え? どこでって……どこで寝ればいいんだ?)

 ユウヤは一瞬、言葉に詰まった。正直、ベッドで寝られればありがたい。けれど、ここはミーシャの両親の家だった場所だ。勝手に寝室を使うのは気が引けるし、ミーシャだって嫌かもしれない。

(とりあえずはソファーでもいいか……。寝られればどこでもいいし)

 ユウヤは、少し困ったように眉をひそめながら尋ねた。

「俺は……どこで寝ればいいんだ?」

 するとミーシャは、まるで当然のことのように首を傾げて答えた。

「えっと……それはユウちゃんの家なんだから、好きなところで寝ていいよ~。わたしと一緒に寝るー? いいよ。ほらぁ~♪」

 そう言って、ミーシャは自分のベッドをぽんぽんと叩いた。銀色の髪がふわりと揺れ、月明かりを受けてきらきらと輝く。透き通るような青い瞳がまっすぐにユウヤを見つめてきて、思わずドキリとした。

 布団をめくって、まるで「入ってきて」と言わんばかりにアピールしてくる。

(いやいや……それはさすがに……)

「いや。俺は……ベッドがある部屋を勝手に見つけて寝るよ」

 ユウヤは、思わず早口でそう答えてしまった。ミーシャは特に気にした様子もなく、にこりと笑って頷いた。

「そっか……おやすみなさいっ♪」

「おやすみ~」

 ユウヤはミーシャの部屋をそっと後にし、リビングのソファに腰を下ろした。ふぅ、とひと息つきながら、今日一日の出来事を思い返す。

(……なんか、すごい一日だったな)

 気づけば、考え事をしていたはずが、まぶたが重くなり、そのままソファの上で静かに眠りに落ちていた。

♢新しい朝と料理の才能

 翌日……

「ユウちゃん……起きて~! 朝だよ~、ユウちゃんっ!」

 聞き慣れない、けれどどこか心地よい可愛らしい声が耳元に届いた。ユウヤは、まだ夢の中にいるような感覚で、ぼんやりと目を開ける。

(あれ……? ここは……? ん? 誰だ……? うわぁ……可愛い……ネコ耳だ……)

 目の前には、銀髪のネコ耳少女――ミーシャが、にこにこと覗き込んでいた。

「うわ……あぁ、ミーシャか……」

 ユウヤは、ようやく現実に意識が戻り、状況を理解した。

「わぁっ、びっくりさせないでよぉ~。ソファーで寝たんだ? ベッドで寝ないとダメだよっ」

 ミーシャは、少し呆れたように言いながらも、その表情はどこか心配そうだった。可愛らしい眉が、ほんの少し下がっている。

「そういうミーシャは、昨日の夜は外で寝ようとしてたっぽいけどな?」

 ユウヤが軽くからかうように言うと、ミーシャは「うぅ……」と小さく唸りながら目を逸らした。ネコ耳がぴくりと動き、気まずさを物語っている。

(えっと……まだ7時か。朝食でも作るか)

 ユウヤは立ち上がり、軽く伸びをした。眠気はまだ残っていたが、ミーシャの笑顔を見ていると、不思議と体が動いた。

(とはいえ、俺が作れるのは……肉を塩コショウで焼くくらいか。あとはパンと、昨日の残りのスープ……うん、十分豪華だろ)

 そう思いながら、ユウヤはキッチンへ向かい、朝食の準備を始めた。フライパンに火を入れ、じゅうっと肉の焼ける音が響く。香ばしい匂いが、ゆっくりと部屋に広がっていった。

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